2018年9月11日、台風の影響により関西空港で足止めになっていた354名の中国人訪日観光客と、10名の「特別な」日本の若者大学生一行を乗せた「新鑑真号」が、大阪南港から異例の超満員態勢で上海へと出航した。
彼らは、関東では上智大学、法政大学、日本大学、亜細亜大学、関西では神戸外大、京都大学の学生で、NPO法人亜細亜新生交流協会主催「第十回鑑真プロジェクト記念事業」のイベント参加者メンバーである。その前日には、電通アドギア社、電通コンサルティング社、スカイマーク株式会社、MicroWorld株式会社、杉岡玲子さんなどゲストの方々から、多大なるご支援ご協力を得て、また暖かい励ましの言葉を頂戴して、予定通り結団式を華やかに開催することができた。
関西で一泊二日の事前研修を行い、唐招提寺を参拝し、翌日から新鑑真号フェリーに乗船して、洋上セミナーを含めて上海、揚州へと旅立った。鑑真和尚の足跡を辿りながら歴史ミステリーを解明し、中国の若者との直接交流を行う。お互いに偏見や誤解を乗り越えてアジア共通の価値観を分かち合い、よりよいアジア隣国の関係作りを目指して明るい未来をひらくのが今回の目的である。
今年は、日中友好条約締結40周年記念であり改革開放政策実施40周年、日中関係にとってもようやく6年前のある領土問題をきっかけとする「政冷経冷」の悪循環サイクルからぬけ出せるタイミングとなっている。草の根レベルの相互理解と真正面からの触れ合いと異文化交流が、将来を担う若者にとって貴重な体験をもたらすものだ。
「百聞は、一見にしかず」とは、中国の古典にもよく言われている。両国の大学生が、鑑真和尚の歴史ミステリーを追いかけてその歴史の真相解明に努力を払い、両国関係の源流をふり返り、古き良き時代に遡って今日の難局を打開するためのヒントや手がかりをともに探り出す。この取組みを通して、あらたな未知の世界がきり拓かれることは間違いないだろう。
(ソース:東方ネット)